「小羊の会」2022年19月6日 法亢聖親牧師からのメッセージ
「宮きよめ」(ヨハネ2:13~22)
「ユダヤ人の過越祭が近づいたので、イエスはエルサレムへ上って行かれた。そして神殿の境内で牛や羊や鳩を売っている者たちと、座って両替をしている者たちをご覧になった。イエスは縄で鞭を作り、羊や牛をすべて境内から追い出し、両替人の金をまき散らし、その台を倒し、鳩を売る者たちに言われた。『このような物はここから運び出せ。私の父の家を商売の家としてはならない。』」(ヨハネ2:13~16)
ユダヤの過ぎ越しの祭りは、大切な祭りで、近郷近在のみならず、世界中から200万人を超える人々が集まったと言われています。そのような中で、鞭を振るい、両替人の台を倒し、犠牲のために売られていた牛や羊を追い出されたイエスさまの怒りの姿は、異様だったと思いますし、人々は驚いたと思います。優しい愛の人であるイエスさまは、聖なる怒りで燃えていました。なぜイエスさまは、そんなにお怒りになられたのでしょうか。
第1に、人間の貪欲さがきよい神殿、祈りの家、つまり宗教を金儲けの道具につかっていたからです。当時、神殿には半シェケルの神殿税を払わなければならず、それも神殿専用のシェケルでなければなりませんでした。そこに手数料を水増ししてもうけていた両替人がひしめいていたのです。また生贄(犠牲)の動物も神殿の中で買ったものでなければ検査に通らなかったのです。ですから認可された商売人たちは、市価の数倍で売りつけていたのです。イエスさまは、祈りの家であるエルサレム神殿を汚している人々と裏でそうした人々を操っていた大祭司たちに対して正義の怒りを発したのです。神殿(宗教)は、祈りの家であって、決して集金マシンではないのです。
第2に、神殿(宗教)が、儀式や犠牲の場とすりかえられていたからです。
宮の中は、法外な値段で買わされた人々がささげた犠牲のささげものの煙が立ち込めていました。祭司たちは、ややこしい儀式をしてそのたびにお金をとり、紋きり型の祈りをささげ、商人たちと結託して犠牲の動物たちを使い回しするなどして私腹をこやしていたのです。
神の預言者たちは、形式だけの儀式に対して反対をしてきました。(エレミヤ7:22)、(イザヤ1:11~13)、(ホセア5:6)。また、心から悔い改めて神との真の交わりを得たダビデ王は、「もしい生贄(けにえ)があなたに喜ばれ、焼き尽くす献げ物がみ旨にかなうのなら、わたしはそれをささげます。しかし、神の求める生贄(いけにえ)は、打ち砕かれた霊。打ち砕かれ悔いる心を。神よ、あなたは侮られません。」(詩編51:18,19p885)と歌いました。
参考
エレミヤ書7章16~26節 P 旧約1189
イザヤ書1章11~20節 P 旧約1061
ホセア書5章5章1~7節 P旧約1408