「ダビデとゴリアテ」 サムエル記上17章

2021年10月31日
深谷教会降誕前第8主日礼拝
聖書:サムエル記17章
説教:「ダビデとゴリアテ」
   保母光彦牧師

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★暗誦聖句
・1Ⅰ月1日(月):詩篇56章11篇●
わたしは神に信頼するゆえ、恐れることはありません。人はわたしに何をなし得ましょうか。
・11月2日(火):サムエル記上17章11節●
サウルとイスラエルの全ての人は、ペリシテびとのこの言葉を聞いて驚き、ひじょうに恐れた。
・11月3日(水):サムエル記上17章16節●
あのペリシテびとは四十日の間、朝夕出てきて、彼らの前に立った。
・11月4日(木):サムエル記上17章26節●
ダビデはかたわらに立っている人々に言った、「このペリシテびとを殺し、イスラエルの恥をすすぐ人には、どうされるのですか。この割礼なきペリシテびとは何者なので、生ける神の軍をいどむのか」。
・11月5日(金):サムエル記上17章32節●
ダビデはサウルに言った、「だれも彼のゆえに気を落としてはなりません。しもべが行ってあのペリシテびとと戦いましょう」。
・11月6日(土):サムエル記上17章45節●
ダビデはペリシテびとに言った、「おまえはつるぎと、やりと、投げやりを持って、わたしに向かってくるが、わたしは万軍の主の名、すなわち、おまえがいどんだ、イスラエルの軍の神の名によって、おまえに立ち向かう。

★説教要約
*目標:目に見える困難を恐れるのではなく、信仰の目をもって神の守りを見、信頼する者となる。
*主題:万軍の主の御名によって立ち向かう。
*暗誦聖句:「神に信頼し私は何も恐れません。人が私に何をなし得るでしょう」  (詩篇56:11●)

〔ダビデとゴリヤテ サムエル記上17章〕
 イスラエルがカナンに定住し士師の時代を迎えた頃、地中海を渡って同じ地に移り住んだ海の民が力を増していました。それがペリシテです。彼らが定住した地中海東岸を「パレスチナ」と呼びますが、それは「ペリシテの地」という意味です。
 ペリシテはイスラエルから一歩先を進んだ鉄器文明を身につけていました。それを示す実情がサムエル記上13章19~22節に描かれています。戦争に明け暮れるその時代に圧倒的な武器の差では、その結果は目に見えていました。しかし、イスラエルの真の勝利は武器によらず、神の御名によることを民は常に教えられてきたはずです。

1.ゴリヤテ登場
 ペリシテの軍勢とイスラエルの軍勢が谷を挟んで向き合いました。そこに、敵の軍勢の中から大男ゴリヤテが出てきました。身長280㎝、うろことじのよろい、57㌔の青銅の胸当て、青銅のすね当て、青銅の投げやりを背に負い、鉄製の剣を持っています。イスラエル側からすれば、最新鋭の武器と武装で身を固め、見上げるような大男の姿は恐怖の的になりました。
 ゴリヤテは大声でイスラエル軍を挑発し、一騎打ちをもちかけます。「サウルと全イスラエルは、ペリシテ人のことを聞き、気をくじかれて非常に恐れた」(17:1●)なんと、そのような挑発が40日も続きました。 (16節●)
2.少年ダビデ登場
サウルの軍隊にはダビデの三人の兄たちが、加わっていました。そこに食糧を届けるためにダビデがやって来ました。兵士たちに、武器だけでなく、十分な食糧も支給できない貧弱なサウル軍の実情が見て取れます。ゴリヤテの挑戦に、誰も応えるどころか恐怖に震え上がっている様子を見たダビデは、声高に叫びます。「この無割礼のペリシテ人は何なのですか。生ける神の陣をそしるとは」(26節●) 臆病風に吹かれるイスラエルの中で、ただ一人勇敢なダビデのことばがサウル王の耳に入ります。ゴリヤテに対抗できるどんな大男がと期待するサウルの前に立ったのは、少年だったのです。「あの男のために、だれも気を落としてはなりません。このしもべが行って、あのペリシテ人と戦います」(32節●) イスラエル軍はゴリヤテと自分たちを見比べて震え上がりました。しかし、ダビデは主の御力を比べて、立ち向かいました。「おまえは、剣と槍と投げ槍を持って私に向かって来るが、私はおまえがそしったイスラエルの先陣の神、万軍の主の御名によって、おまえに立ち向かう」(45節●) 完全武装のゴリヤテに対してダビデはいつもの羊飼いの服装で、川から五つの滑らかな石を拾って袋に入れ、石投げを持って近づきました。そして最初の投石でゴリヤテを倒し、勝利しました。それはまさに主の御名による勝利でした。
3.私たちの戦いは
 ダビデとゴリヤテの戦いは、私たちの日常の戦いへの大きな励ましです。エペソ人への6章10~12節を読みましょう。悪と戦え「最後に言う。主に依り頼み、その偉大な力によって強くなりなさい。悪魔の策略に対抗して立つことができるように、神の武具を身に着けなさい。わたしたちの戦いは、血肉を相手にするものではなく、支配と権威、暗闇の世界の支配者、天にいる悪の諸霊を相手にするものです」。私たちを神から遠ざけ、信仰の脱線を図る数々の悪魔の攻撃に私たちは、さらされています。悪魔の知恵と力はゴリヤテをはるかに超えています。到底太刀打ちできる相手ではありません。しかしダビデが主の御名によって勝利したように、主は私たちと共におられ、信頼する者を守り、勝利に導いてくださいます。
4.私たちの武具と武器               
サウルから貸し与えられた青銅のかぶとやよろい、剣を身に着けて歩いてみたダビデは、重くて、歩くこともできませんでした。しかし、私たちが身に着けるようにと示されたのは、霊的な武具と武器です。それをしっかりと装備し、使いこなせるように慣れておく必要があります。さあ、あなたの武具と武器は装着済ですか。チェックしましょう。 「腰には真理の帯を締め、胸には正義の胸当てを着け、足には平和の福音の備えをはきなさい。これらすべての上に、信仰の盾を取りなさい。それによって、悪い者が放つ火矢をすべて消すことができます。救いのかぶとをかぶり、御霊の剣、すなわち神のことばを取りなさい。あらゆる祈りと願いとによって、どんなときにも御霊の剣、すなわち神のことばを取りなさい。あらゆる祈りと願いによって、どんなときにも御霊によって祈りなさい。そのために、目を覚まして、すべての聖徒のために、忍耐の限りを尽くして祈りなさい」(エペソ人への手紙6章14~18節)。

〔ペリシテ人について〕
ノアの息子ハムの子孫で、エジプトからガザに至る地中海の南東部に定住していた。彼らはもともとギリシャのクレタから船で中東へ移動した「海の民」の一派であった。サムエルの時代までには、これらの好戦的な民族が、カナン南西のガザ5大都市で繁栄しており、常に陸内部のイスラエル人を圧迫していた。 この時代全体を通して、イスラエルにとって主要な敵であった。

 【聖書から】 サムエル記16章20~23、17章 (新共同訳)

16.20エッサイは、パンを積んだろばとぶどう酒の入った皮袋と子山羊一匹を用意し、息子ダビデに持たせてサウルに送った。21ダビデはサウルのもとに来て、彼に仕えた。王はダビデが大層気に入り、王の武具を持つ者に取り立てた。22サウルはエッサイに言い送った。「ダビデをわたしに仕えさせるように。彼は、わたしの心に適った。」23神の霊がサウルを襲うたびに、ダビデが傍らで竪琴を奏でると、サウルは 心が安まって気分が良くなり、悪霊は彼を離れた。
ダビデとゴリアト
17:1ペリシテ人は戦いに備えて軍隊を召集した。彼らはユダのソコに集結し、ソコとアゼカの間にあるエフェス・ダミムに陣を張った。2一方、サウルとイスラエルの兵も集結 し、エラの谷に陣を敷、ペリシテ軍との戦いに備えた。3ペリシテ軍は一方の山に、イスラエル軍は谷を挟んでもう一方の山に陣取った。4ペリシテの陣地から一人の戦士が進み出た。その名をゴリアトといい、ガド出身で、背丈は六アンマ半、(2㍍90㎝)※1アンマ=45㎝=1キュビト5頭に青銅の兜をかぶり、身には青銅五千シェケルの重さのあるうろことじの鎧を着、6足には青銅のすね当てを着け、肩に青銅の投げ槍を背負っていた。7槍の柄は機織りの巻き棒のように太く、穂先は鉄六百シェケルもあり、彼の前には、盾持ちがいた。8ゴリアトは立ちはだかり、イスラエルの戦列に向かって呼ばわった。「どうしてお前たちは、戦列を整えて出て来るのか。わたしはペリシテ人、お前たちはサウルの家 臣。人を選んで、わたしの方へ下りて来させよ。9その者にわたしと戦う力があって、もしわたしを討ち取るようなことがあれば、我々はお前の奴隷となろう。だが、わたしが勝ってその者を討ち取ったら、お前たちが奴隷となって我々に仕えるのだ。」10このペリシテ人は続けて言った、「今日、わたしはイスラエルの戦列に挑戦する。相手を一人出せ、一騎打ちだ。」11サウルとイスラエルの全軍は、このペリシテ人の言葉を聞いて恐れおののいた。12ダビデは、ユダのベツレヘム出身のエルラタ人で、名をエッサイという人の息子であった。エッサイには八人の息子があった。サウルの治世に、彼は人々の間の長老であった。13エッサイの年長の息子三人は、サウルに従って戦いに出ていた。戦いに出た三人の息子の名は、長男エリアブ、次男アビナダブ、三男シャンマであり、14ダビデは末の子であった。年長の三人はサウルに従って出ていたが、15このダビデは行ったり来たりして、サウルに仕えたり、ベツレヘムの父の羊を世話をしたりしていた。16かのペリシテ人は、四十日の間、朝な夕なやって来て、同じ所に立った。

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