深谷教会聖霊降臨節第22主日礼拝2021年10月17日
説教題:「失敗したサウル」
保母光彦牧師
讃美歌:21‐456、459
★暗誦聖句
・10月18日(月):詩篇33章18篇●
見よ、主の目は主を恐れる者の上にあり、そのいつくしみを望む者の上にある。
・10月19日(火):サムエル記上13章10節●
その燔祭をささげ終わると、サムエルがきた。サウルはあいさつをしようと、彼を迎えに出た。
・10月20日(水):サムエル記上13章11節●
その時サムエルは言った、「あなたは何をしたのですか」。「民はわたしを離れて散って行き、あなたは定まった日のうちにこられないのに、ペリシテびとがミクマシに集まったのを見たので、
・10月21日(木):サムエル記上15章15節●
サウルは言った、「人々がアマレクびとの所から引いてきたのです。民は、あなたの神、主にささげるために、羊と牛の最も良いものを残したのです。そのほかは、われわれが滅ぼし尽くしました」。
・10月22日(金):サムエル記上15章30節●
サウルは言った、「わたしは罪を犯しましたが、どうぞ、民の長老たち、およびイスラエルの前で、わたしを尊び、わたしと一緒に帰って、あなたの神、主を拝ませてください」。
・10月23日(土):サムエル記上15章22,23節●
サムエルは言った、「主はそのみ言葉に聞き従う事を喜ばれるように、燔祭や犠牲を喜ばれるであろうか。見よ、従うことを犠牲にまさり、聞くことは雄羊の脂肪にまさる。そむくことは占いの罪に等しく、強情は偶像礼拝の罪に等しいからである。あなたが主のことば捨てたので、主もまたあなたを捨てて、王の位から退けられた」。
★説教要約
*目標:神は、みことばに聴き従うことを喜ばれる。
*主題:神の目にどう映るかを考えて行動する。
*暗誦聖句:「見よ、主の目は主を恐れる者にそそがれる」(詩篇33:18●)
「主を恐れる」とは、怖がることではない。次ぎに「主の恵みを待ち望む者」と言い、換言されている。真摯に神に向き合い信頼を寄せ、「恵みを待ち望む」これが真の「恐れ」である。
◎失敗したサウル
「Ⅰサムエル13:1~15,15章」
イスラエルの初代の王として民の大歓呼の中で華々しく順調なスタートを切ったサウルでした。しかし、その歩みの歯車が狂い始めます。ペリシテが戦車三万、騎兵六千、海辺の砂のように、多くの兵をもってイスラエルと戦うために陣をはりました。 一方のイスラエルは、武器と言えばサウルとヨナタンが剣を持っただけです(13:22●)。民は震えながらサウルに従っています。勝負は目に見えています。
1.神によるテスト
イスラエルにとって、唯一の頼みは主の助けでした。サウルはギルガルにとどまって、来ることになっているサムエルの到着を待ちました。サムエルが全焼のささげものをささげて神に祈ってくれることで、戦いに勝利できると信じていたからです。 七日待ち、毎年の例祭の時となりました。しかし、待てど暮らせどサムエルは来ません。今にも敵の大軍が攻めてくるかもしれません。味方の兵士たちは、そうでなくても自分たちが絶対的に不利であり、追い詰められていることを知っていました。そのうえ、頼みの綱であるサムエルが来ないということで、兵士たちの動揺はピークに達します。戦列を離れて逃げだそうと者まで出て来ます。
2.言い訳をするサウルが来た
サウルは迎えに出て、彼に挨拶した」(Ⅰサムエル13:10●)。
サムエルが到着して、見ると全焼のささげ物が燃えています。待ちくたびれていたサウルが先走ってささげたことは一目瞭然です。「サムエルは言った。『あなたは何ということをしたのか』」(11節●)。サウルの延々と言い訳がはじまります。「あなたの到着が遅れたことが原因です」「恐れた兵士たちが散っていくのを引き留めようとした私に非はありません」「敵は今にも攻めてこようとしているのですよ。負けてしまえば元も子もないでしょう」「私は、神にいけにえをささげ、祈ったのですよ。ほめられてもいいはずです」「私だってじりじりしながら待っていたんですよ。悩んだ末に、あえてささげものをささげたのです。私の身にもなってくださいよ」
出るは出るは、言い訳と自分の正当性を主張することばがよどみなく続きます。ここにサウル王の本当の姿が暴露されました。この同じ態度は,サムエル記上15章のアマレクとの戦いにも現れます。主のことばに聴き従わず、自分かってな行動をとりながら、それをサムエルに指摘されると、やはり敬虔(けいけん)を装うことばで弁解します。「サウルは答えた。『アマレク人のところから連れて来ました。兵士たちは、あなたの神、主に、いけにえを献げるために、羊と牛の最も良いものを惜しんだのです。しかし、残りの物は聖絶しました』」(15:15●)
3.神の目よりも人の目
サムエルから、その偽善を指摘され、神のさばきを告げられると、サウルは心砕かれて悔い改めるかと思いきや、あきれたお願いをします。「サウルは言った。『私は罪を犯しました。しかし、どうか今は、私の民の長老とイスラエルとの前で私を立ててください。どうか一緒に帰ってください。私はあなたの神、主を礼拝します』」(同30節●)
【聖書から】 (Ⅰサムエル13:19~23, 13:1~15) 新共同訳
剣や槍は
13:19さて、イスラエルにはどこにも鍛冶屋がいなかった。ヘブライ人に剣や槍を作らせてはいけないとペリシテ人が考えたからです。20それで、イスラエルの人が鋤や鍬や斧や鎌を研いでもらうためには、ペリシテ人のところへ下るほかなかった。21鋤や鍬や三つまたの矛や斧の研ぎ科、突き棒の修理は一ピムであった。22こういうわけで、戦いの日にも、サウルとヨナタンの指揮下の兵士はだれも剣や槍を手にしていなかった。持っているのはサウルとその子ヨナタンだけであった。23ペリシテ軍の先陣は、ミクマスの渡しまで進んで来た。
ペリシテ人との戦い
13:1サウルは王となって、一年でイスラエル全体の王となり、二年たったとき、2イスラエルから三千人をえりすぐった。そのうちの二千人をミクマスとベテルの山地で自らのもとに、他の千人をベニヤミンのギブアでヨナタンのもとに置き、残りの民はそれぞれの 天幕に帰らせた。3ヨナタンは、ゲバに配置されていたペリシテの守備隊を打ち破った。ペリシテ人はそれを伝え聞いた。他方、サウルも国中の角笛を吹き鳴らして言った。「ヘブライ人よ、聞け。」4全イスラエルは、サウルがペリシテの守備隊を打ち破ったこと、イスラエルがペリシテ人の憎しみをかうことになったということを知った。民はギルガルのサウルのもとに呼び集められた。5ペリシテ軍は、イスラエルと戦うために集結した。その戦車は三万、騎兵は六千、兵士は海辺の砂のように多かった。彼らは上って来て、ベト・アベンの東、ミクマスに陣を敷いた。6イスラエルの人々は、自分たちが苦境に陥り、一人一人に危険が迫っているのを見て、洞窟、岩の裂け目、岩陰、穴蔵、井戸などに身を隠した。7ヨルダン川を渡り、ガドやギレアドの地に逃げ延びたヘブライ人もあった。しかし、サウルはギルガルに踏みとどまり、従う兵は皆、サウルの後ろでおののいていた。8サウルは、サムエルが命じたように、七日間待った。だが、サムエルはギルガルに来なかった。兵はサウルのもとから散り始めた。9サウルは、「焼き尽くす献げ物と和解の献げ物を持って来なさい」と命じて、焼き尽くす献げ物をささげた。10焼き尽くす献げ物をささげ終えたそのとき、サムエルが到着した。サウルは彼に挨拶しようと迎えに出た。11サムエルは言った。「あなたは何をしたのか。」サウルは答えた。「兵士がわたしから離れて散って行くのが目に見えているのに、あなたは約束の日に来てくださらない。しかも、ペリシテ軍はミクマスに集結しているのです。12ペリシテ軍がギルガルのわたしに向かって攻め下ろうとしている。それなのに、わたしはまだ主に嘆願していないと思ったので、わたしはあえて焼き尽くす献げ物 をささげました。」13サムエルはサウルに言った、「あなたは愚かなことをした。あなたの神、主がお与えになった戒めを守っていれば、主はあなたの王権をイスラエルの上にいつまでも確かなものとしてくださっただろうに。14しかし、今となっては、あなたの王権は続かない。主は御心に適う人を求めて、その人をご自分の民の指導者として立てられる。主がお命じになったことをあなたが守らなかったからだ。」15サムエルは立ち上がり、ギルガルからベニヤミンのギブア上って行った。サウルは、自分のもとにいた兵士を数えた。およそ六百人であった。