「福音を正しく宣べ伝えー説教」 Ⅰテサロニケ2:13

「小羊の会」2023年7月13日

★法亢聖親牧師からのメッセージ

「福音を正しく宣べ伝えー説教」 Ⅰテサロニケ2章13節  
 
 キリスト教の礼拝では、説教があってこれを大事にします。多くの宗教には説教と言ったものがあるでしょう。仏教の法話など。
 説教は、一般的には、その宗教の教えや信仰の話を説くことであると言われています。
お説教ではありません。お説教は、堅苦しい教訓、忠告、勿体つけた意見等で聞いている方はうんざりしてしまいます。人は、「わー、またお説教がはじまったと心の中で思い、人は心の戸を閉めてしまいます。しかしキリスト教の説教は本来そうしたものではなく聖書の教え・信仰の話・神の国の福音を説くことであるのです。
 この意味で主イエスは説教をされました。マタイによる福音書5章以下には、イエスさまの「山上の説教」が記されています。まことに、印象に残る感動的な説教です。
 主イエスがこの世に降り最初に宣ベられた言葉・説教は「時は満ち神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」(マルコ1:15)でした。
 主イエスの弟子ペトロはじめ12弟子たちは、またパウロはこの福音を一生懸命に 伝えて歩きました。彼らの説教には、人を愛しなさいとか正しく生きなさいと言った倫理道徳的な教えも沢山含まれていますが、その中心は、主イエスの十字架と復活でした。
 この主イエスの十字架を語ること、説き明かすことがキリスト教の説教の一番の特徴です。逆に言いますと、そのお話の中に十字架・復活が語られなければただのお話になってしまいます。それからキリスト教の説教の特色は、そこで神の言葉が語られているということです。説教は牧師の言葉・人間の言葉に違いありませんが、その人間の言葉を通して神が語っておられるのです。牧師は、説教の前に「この僕を通り良き管としてお用いください」と祈ります。また、「聖霊の油を注ぎ命のみ言葉を語ることができるようにしてください」と。
 それではどうしてそんなことが言えるのでしょうか。私たちはかねて聖書はただの本ではなく神の言葉であると信じると告白しています。説教は、その聖書の説き明かしであるので神の言葉と言われるのです。そこに神の助け聖霊の助けがあって説教は神の声、キリストの声として聴かれるのです。パウロは、テサロニケの教会の人々が彼の説くところを「神の言葉」として受け止めてくれたことを神に感謝しています。
 聖書を離れたらただの人間の言葉となりキリスト教の説教でなくなります。

説教者 
 一般信徒や民衆よりも高度の専門的な教義・聖典についての知識や見識を有する者。更にそれを分かりやすく伝えることができる能力を有する者であることが期待される。

説 教  
 1、聖書の真理を解き明かすこと。単に解釈を口述するだけでは、「聖書研究」といえても「説教」とは言えない。聖書の真理が一つの主題に基づいてメッセージとして語られるとき「説教」となる。
 2、聖書の解説や解釈を行わないでいきなり自分の意見を語るのは、個人的な意見の表明であって「講義」にしか過ぎない。修辞学に似ているが、聖書が基礎となってその真理が適切に解説されている時のみ説教でありうる。
 3、説教学の見地から 説教は、真理と人格が結合する時に生まれる。聖書の真理が正しく解説され、しかも真理が単なる言葉ではなく、語る者の人格が説教を通して滲み出る時、説教となりうる。この時、聴く者の人格に響く説教となるのです。響きあう人格。聖霊により、御言葉が運ばれ伝えられ、語る者の霊と聞く者の霊が響きあわされるのである。 説教の準備の時間。ある牧師が「説教を準備するにはどれだけの時間をかけますか」と問われました。当時40歳だった牧師は、「40年かかりました」と答えました。私の場合は、まず示された(与えられた)聖句を読みデボーションをして、説教題を決めます。できるだけ説教看板を見た人が興味を持っていただける題名をつけます。また語り伝えたいメッセージにふさわしい(中身の分かる)題名をつけます。それから聖書の釈義(解釈)をしてその釈義を隠し味にして具体的なイラスト(エピソード・人文や人の体験)などを加えてメッセージを仕上げます(起承転結につとめレトリックなどを用います)。神さまから示されたメッセージは、ワンポイントに絞るよう指導を受けました。説教の時間は、特別伝道礼拝の講師として呼ばれたとき以外は、20~30分が穏当に思う。聞き手の心に届くメッセージになることを心掛けています。

説教と奨励の違い  
 信徒の礼拝奉仕の時用いる。また、牧師の礼拝以外の所での聖書のお話を奨励と言うこともある。証しについては前回少し述べた。

説教の種類
題詞説教 Textual Sermon
主題説教 Topical Sermon
講解説教 Expository Sermon  ほか

参考 
1 第2テモテ3:16(3:15~17)
2 修辞学(レトリック) 自分の考えや主張を相手に効果的に伝えることによって理解、納得を得る技術、学問をさす。

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