「世界の平和」 マタイによる福音書5:17~20

「小羊の会」2023年4月27日

★法亢聖親牧師からのメッセージ

「世界の平和」       マタイ5章17節~20節  

 「わたしが来たのは律法や預言者を廃するためだ、と思ってはならない。廃止するためではなく、完成するためである。」(マタイ5:17)
「だから、人にしてもらいたと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。これこそ律法であり預言者である」(マタイ7:12)

 1 律法をイエスさまは、どのようにして完成されたのでしょうか。世界中のほとんどの法律や宗教が「人を殺すな」と言っています。しかし、そ
   の理由を明確にしているものは意外と少ないのではないでしょうか。あったとしても「『人を勝手に殺してもよい』と言うことになれば、社会
   の秩序がなくなり、自分の命を守ってくれるものがない。だからお互いに殺し合わないようにしましょう。」と言うくらいのものではないでし
   ょうか。ですから一たん戦争が始まると、「『なぜ殺してはいけないか』があいまいになり、『敵は殺してもよい』」、ということになってし
   まうのです。それどころか、敵を多く殺せば英雄と言うことにすらなるのです。しかし、聖書は、違います、「人を殺してはならない。なぜ殺
   してはならないのか『人は神にかたどって造られたからだ』(創世記9:6)」。
 2 日本人にはなじみ深い「教え」=「自分にとって嫌なことは人にもするな」とイエスさまの教えの違いはどこにあるのでしょうか。1つ言える
   ことは、文化的背景と歴史的状況。
 3 それでは、イエスまのこの教えをどのようにしたら実践していくことができるでしょうか。
 4 黄金律と隣人愛
   イエスさまは、7章12節の最後の所で、「だから、人にしてもらいたと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。これこそ律法であり
   預言者である」と言われました。旧約聖書全体は、この黄金律に尽きると言われているのです。マタイ22:37~40(p44)でイエスさ
   まは、本日の御言葉と同じようなことを言われています。第1の戒め「心を尽くし、思いを尽くし、力(知力)を尽くして、あなたの神 であ
   る主を愛せよ」と、第2の戒め「あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ」のこの2つの戒めは、律法全体と預言者とが、この2つの戒めに
   かかっていると。つまり7:12の教えは、22:39の「隣人を自分のように愛しなさい」(新共同訳)「あなたの隣り人をあなた自身のよ
   うに愛しなさい」(口語訳)との戒めを言い換えたものなのです。ですからこの黄金律は、「隣人愛によって」、はじめて実践できるのです。
   <申命6:5,10:12,30:6>
  「知識は人を誇らせ、愛は人の徳を高める」(Ⅰコリント8:1口語訳)・「知識は人を高ぶらせるが、愛は造り上げる」(Ⅰコリント8:1新共同
   訳) 口語訳の「愛は、人の徳を建てる」と言うのは、「愛を実践する人の徳が建てられ、その人が尊敬されるようになる」と言う事ではな
   く、「その愛によって他の人の徳が建てられ、私たちが人間として信仰者として成長するようになる」と言うことです。

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