「ペテロ②」マタイによる福音書16:13~20

深谷教会復活節第7主日礼拝2022年5月29日
司会:野田治三郎兄
聖書:マタイによる福音書16章13~20節
説教:「ペテロ2」
   保母光彦牧師
讃美歌:21-449、456
奏楽:高橋ひかり姉

【説教】ペテロ⓶ 保母光彦牧師

★暗誦聖句
・5月30日(月):マタイによる福音書16章16節●
シモン・ペテロが答えて言った、「あなたこそ、生ける神の子キリストです」。
・5月31日(火):マタイによる福音書16章13節●
イエスがピリポ・カイザリヤの地方に行かれたとき、弟子たちに尋ねて言われた、「人々は人の子をだれと言っているか」。
・6月1 日(水):マルコによる福音書16章14節●
彼らは言った、「ある人々はバプテスマのヨハネだと言っています。しかし、ほかの人たちは、エリヤだと言い、また、エレミヤあるいは預言者のひとりだ、と言っている者もあります」。
・6月2 日(木):マタイによる福音書16章18節●
そこで、わたしもあなたに言う。あなたはペテロである。そして、わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てよう。黄泉の力もそれに打ち勝つことはない。
・6月3 日(金):マタイによる福音書16章19節●
わたしは、あなたに天国のかぎを授けよう。そして、あなたが地上でつなぐことは、天でもつながれ、あなたが地上で解くことは天でも解かれるであろう。
・6月4 日(土):マタイによる福音書16章20節●
そのとき、イエスは、自分がキリストであることを誰にも言ってはいけないと、弟子たちを戒められた。

★説教要約
*目標:「イエスはキリスト」と告白する者の集まり(教会)として、主を証しする。
*主題:神の導きによる信仰告白。
*暗誦聖句:「あなたは生ける神の子キリストです」。 (マタイ16:16●)

導入──「あなたは誰ですか?」と聞かれたら何と答えますか。名前や学校名、学年などを答えたりするでしょうね。住んでいる地域やどこの家の子どもかを伝えるかもしれません。イエスを信じている人は、「私はクリスチャンです」と答えることもできますね。さて、イエスの弟子たちは、イエスを誰だと思っていたのでしょうか。

1 人々が見るイエス (13~14節)
 イエスは、ピリポ・カイサリアに来ていました。地名にある「カイサリア」とはローマを支配すカエサル(皇帝)を意味していて、敬意を表してつけられたものです。その名のとおり、この地では皇帝崇拝が盛んでした。また、自然神パンという偶像を礼拝する人々も多くいました。そのような町でイエスは弟子たちに、「人々はわたしのことを誰だと思っていますか」と質問なさいました。一見、ご自分の評価を気にしているかのようです。14節を読みましょう。これは、神から遣わされて偉大な働きをした、ユダヤ人が尊敬する人たちです。人々はイエスを高く評価し、期待を寄せていましたが、肝心な点が欠けていました。

2 ペテロの信仰告白とその意義 (15~17節)
 イエスは続いて、「あなたがたは、わたしをだれだと言いますか」と問われました。周りがどう評価しているかではなく、あなたはどう思っているのか、ということです。私たちにも同じことが問いかけられています。みなさんにとって、イエスはどのようなお方でしょうか。
 イエスの質問にペテロが代表して答えました。16節を読みましょう。預言者でも救い主の道備えをしたバプテスマのヨハネの再来でもなく、イエスと共に過ごしているうちに、弟子たちはイエスの人格に触れ、教えを聞き、みわざを見て、イエスを神の御子と確信するようになっていたのです。
 イエスはペテロに、「あなたは幸いです。このことを明らかにしたのは、天におられるわたしの父です」とおっしゃいました。ペテロが正しく立派な人だからではなく、父なる神が働いてくださったので、告白できたのです。私たちがイエスを信じることも同じです。自分で決断しているようでも、聖霊なる神が導いてくださって、イエスを主と告白できるのです(Ⅰコリント12:3)

3 「教会」の構想と注意事項 (18~20節)
 18節を読みましょう。「ペテロ」には「岩」という意味があります。イエスを救い主だと心から告白したペテロですが、岩というには弱い者でした。しかし、イエスに取り扱われながら成長し、やがて初代教会の指導者となります。そして、ペテロがしたのと同じ信仰告白をする人の集まりが教会となるのです。「あなたは生ける神の子キリストです」という告白は、クリスチャンの一致した告白であり、教会の基礎です。今を生きる私たちも、また教会も、ペテロと同じ信仰を告白しています。
 イエスは最後に、ご自身がキリストであることを口外しないように弟子たちに命じられました。広まることで人々が熱狂するなどして、かえってイエスの働きが妨げられる可能性があったからです。イエスは弟子たちにだけ御自分のことを明確に理解させ、十字架に向けて進んでいかれました。

〔地図〕掲載は省略します。                              
「イエスの宣教活動」 「XⅢ新約時代のパレスチナ」の地図に添ってのイエスの宣教活動の解説です。(地図の北の方面からアルファベット順に示した)地域、A.B.C.・・・・・W.をお読みください。
A ツロ:異邦人の娘が癒される(マタイ15:21-28)
B ピリポ・カイザリヤ:ペテロの信仰告白(マタイ16:13-20)
C メロン山/タボル山ヘルモン山:(1)イエスの変貌があったと考えられ場所(マタイ17:1-3)、(2)この付近で、悪霊につかれた男の子がいやされる(マタイ17:14-21)
D ガリラヤのカナ:(1)水がぶどう酒に変わる(ヨハネ2:1-11)、(2)カペナウムの役人の子がいやされる(ヨハネ4:46-54)
E ゲネサレ:(1)群衆への給食があったと考えられる場所(マタイ14:13-21、15:32-39)、(2)数多くのいやし(マルコ6:53-56)
F コラジン:(1)コラジン、ベッサイダ、カペナウムへのさばきが宣告される(マタイ11:20-24)、(2)山上の説教があったと考えられる場所(マタイ5-7章)
G カペナウム:(1)漁をする(ルカ5:1-11)、(2)悪霊を追い出す(マルコ1:21-28)、(3)山上の説教(マタイ5-7章)、(4)ペテロの義理の母がいやされる(マタイ8:5-13)、(5)百人隊長のしもべがいやされる(マタイ8:5-13)、(6)中風の男がいやされる(マルコ2:1-12)、(7)長血の女がいやされる(マルコ5:25-34)、(8)ヤイロの娘がよみがえらされる(ルカ8:40-56)、(9)二人の盲人がいやされる(マタイ9:27-31)、(10)悪霊につかれて口のきけない人がいやされる(マタイ9:32-34)、(11)12弟子が送り出される(マタイ10:1-15)、(12)片手のなえた人がいやされる(マタイ12:9-13)、(13)悪霊につかれた別の男がいやされる(マタイ12;22-37)、(14)宮の納入金が調達される(マタイ17:24-27)、(15)いのちのパンについての問答(ヨハネ6:22-59)。
H ベッサイダ:(1)群衆への給食があったと考えられる場所(マタイ14:13-21、15:32-39)、(2)盲目の男がいやされる(マルコ8:22-26)
I ベッサイダ付近のガリラヤ湖:水の上を歩く(マタイ14:22)
J ガリラヤ湖:嵐を静める(マタイ8:23-27)
K ゲルゲサ/ガダラ:悪霊を追い出し、その後豚ががけから落ちたと考えられる場所(ルカ8:26-39)
L ナザレ:(1)イエスの故郷(マタイ2:19-23)、(2)町の住民たちに拒絶される(ルカ4:16-30)
M ナイン:やもめの息子がよみがえらされる(ルカ7:11-17)
N ガリラヤ:(1)ッアラアトに冒された人がきよめられる(マルコ1:40-45)、(2)よみがえりの後に弟子たちに姿を現す(マタイ29:16-20)
O デカポリス(10の町):多くの人のいやし(マタイ15:29-31、マルコ7:31-37)
P ガリラヤとサマリヤの間の地方:(1)村に入ることを拒否される(ルカ9:51-56)、 (2)10人のツァラアトに冒された人がいやされる(ルカ17:11-19)
Q スカル:サマリヤの井戸の女(ヨハネ4:1-42)
R エフライム:弟子たちとともに荒野に近い地方に入る(ヨハネ11:54)
S ペレヤ地方:(1)結婚についての教え(マタイ19:1-12)、(2)病の霊につかれていた女がいやされたと考えられる場所(ルカ13:10-13)、(3)水腫をわずらっていた男がいやされたと考えられる場所(ルカ14:1-6)、84)金持ちの若い役人と出会ったと考えられる場所(ルカ18:18-30)
T エリコ:(1)バルテマイがいやされる(10:46-52)、(2)ザアカイの回心(ルカ19:1-10)
U ベタニヤ:(1)ラザロがよみがえらされる(ヨハネ11:1-44)、(2)マリヤがイエスに香油をそそぐ(ヨハネ12:1-11)
V エルサレム:(1)少年イエスが神殿に行く(ルカ2:41-52)、(2)ニコデモとの問答(ヨハネ3:1-21)、(3)べテスタの池のいやし(ヨハネ5:2-9)、(4)姦淫の女が捕らえられる(ヨハネ8:2-11)、(5)石打ちにされそうになる(ヨハネ8:12-59)、(6)生まれつきの盲人がいやされる(ヨハネ9:1-12)、(7)勝利の入城(マタイ21:1-11)、(8)宮きよめ(ヨハネ2:13-22)、(9)最後の晩餐(ルカ22:7-30)、(10)裁判と十字架(マタイ26:57-27:50)、(11)埋葬(ルカ23:50-56)、(12)復活の後、マリヤと弟子に現れる(ヨハネ20:1-31)
W エマオ:復活の後、2人の弟子に現れる(ルカ24:13-32)
X オリーブ山:(1)オリーブ山での教え(マタイ24:3-25:46)、(2)苦しみを味わい、ゲッセマネで捕らえられる(マタイ26:36-56)、(3)昇天(使徒1:6-12)
Y ベツレヘム:ご降臨の地(ルカ2:1-20)
  

                 【聖書から】 マタイによる福音書16章1節 (新共同訳)
                         人々はしるしを欲しがる
16:1 ファリサイ派とサドカイ派の人々が来て、イエスを試そうとして、天からのしるしを見せてほしいと願った。

             【聖書から】 マタイによる福音書16章13節~20節 (新共同訳)
                       ペトロ、信仰を言い表す
16:13イエスは、フィリポ・カイサリヤ地方に行ったとき、弟子たちに、「人々は、人の子のことを何者だと言っているか」とお尋ねになった。14弟子たちは言った。「『洗礼者ヨハネだ』と言う人も、『エリヤだ』と言う人もいます。ほかに、『エレミヤだ』とか、『預言者の一人だ』と言う人もいます。」15イエスが言われた。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」16シモン・ペトロが、「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えた。17すると、イエスはお答えになった。「シモン・バルヨナ、あなたは幸いだ。あなたにこのことを現したのは、人間ではなく、わたしの天の父なのだ。18わたしも言っておく。あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。陰府の力もこれに対抗できない。19わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる。」20それから、イエスは、御自分がメシアであることを誰にも話さないように、と弟子たちに命じられた。

                        写真(省略)
            ガリラヤの南:イエスの姿が変わったタボル山(17:1~13)

                        写真(省略)
       ピリポの領国。ペテロはフィリポ・カイザリヤでイエスへの信仰を表明(16:16)

                        写真(省略)
                    シドン(ツロの北)(15:21)

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