「ペテロ①」マタイによる福音書14:22~33

深谷教会復活節第5主日礼拝2022年5月15日
司会:渡辺清美姉
聖書:マタイによる福音書14章22~33節
説教:「ペテロ⓵」
   保母光彦牧師
讃美歌:21-412、434
奏楽:杉田裕恵姉

★暗誦聖句
・5月16日(月): マタイによる福音書14章27節●
しかし、イエスはすぐに彼らに声をかけて、「しっかりするのだ、わたしである。恐れることはない」と言われた。
・5月17日(火): マタイによる福音書14章25節●
イエスは夜明けの四時ごろ、海の上を歩いて彼らの方へ行かれた。
・5月18日(水):マルコによる福音書6章47節●
夕方になったとき、船は海のまん中に出ており、イエスだけが陸地におられた。
・5月19日(木): マタイによる福音書14章23節●
そして群衆を解散させてから、祈るためひそかに山に登られた。夕方になっても、ただひとりそこにおられた。
・5月20日(金):マルコによる福音書6章51節●
そして、彼らの船に乗り込まれると風はやんだ。彼らは心の中で、非常に驚いた。
・5月21日(土): マタイによる福音書14章33節●
船の中にいた者たちはイエスを拝して、「ほんとうに、あなたは神の子です」と言った。

★説教要約
*目標:どんな困難なときにもイエスから目を離さないで共に歩む。
*主題:イエスは恐れや疑いをもつ弟子たちの信仰を育ててくださる。
*暗誦聖句:「しっかりしなさい。わたしだ。恐れることはない」(マタイ14:27●)

1.舟に近づくイエスと弟子たちの反応(22~27節)
 イエスは二匹の魚と五つのパンで大勢の人々を養った「五千人の給食」の奇跡のあと、群衆を解散させて、一人で神に祈るために山に登られました。
 一方、弟子たちは舟でガリラヤ湖を渡っていました。その日は強い向かい風が吹きつけ、湖の漁師だった弟子でさえ、操縦がうまくいきませんでした。夜の暗闇の中、何時間も格闘し、とうとう夜明けが近づいた頃です。イエスが、湖の上を歩くという奇跡的な方法で近づいてこられました。ところが、弟子たちはイエスを幽霊だと思ったのです。弟子たちは、直前に五千人の給食を目の当たりにしていましたが、それでも心がかたくなで、イエスを神の子と信じきってはいませんでした。(マルコ6:52参照)〔パンの出来事を理解せず、心が鈍くなっていたからです。〕
 そんな弱さを抱え、おびえる弟子たちに、イエスは近づき、「しっかりしなさい」「わたしだ」「恐れることはない」と呼びかけてくださいました。このことばは、恐れやすい私たちへの力強い励ましです。

2.ペテロの要求と失敗 (28~31節)
 ペテロは、自分も湖の上を歩けるように命じて欲しいとイエスに願い出ました。尊敬し、愛する師であるイエスがなさっていることを、自分もしてみたいと思ったのかもしれません。イエスの力をもってすればそれが可能だと信じていたのです。ペテロは出しゃばりにも思える半面、積極性をもつ性格でした。
 イエスが「来なさい」とお呼びになると、ペテロは舟から出て、湖の上を歩きました。ペテロはこの時、視線も心もイエスに向けていたでしょう。ところが、イエスから目を離し、強風に目を向けた瞬間、ペテロは恐ろしくなって沈みかけてしまいました。助けを求めるペテロを、イエスは手を伸ばして救い出されました。そして、「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」とおっしゃいました。
ペテロが最初に風をものともせずイエスに向かって歩いたように、私たちも、さまざまな困難や問題が起こっても、イエスから目を離さないで、イエスの力と最善をなさる約束を信じて歩むことが大切です。何か問題を抱えているとき、私たちはそればかりを見て、恐れに支配されてしまいます。しかし、そんなときはイエスに目を向けましょう。恐れたり、疑ったりしやすい私たちですが、それでもイエスは私たちを見放したりせずに、助けてくださるお方です。

3.イエスを礼拝する弟子たち (32~33節)
 イエスとペテロが舟に乗り込むと、風がやみました。弟子たちはこころから、「まことに、あなたは神の子です」とイエスへの信仰を告白し、礼拝しました。イエスは未熟な弟子たちを見捨てず、かえって神としての権威を示し、信仰を養い育ててくださる憐れみ深いお方です。

               【聖書から】 マタイによる福音書14章22節~33節 (新共同訳)
                            湖の上を歩く
14:22それからすぐ、イエスは弟子たちを強いて舟に乗せ、向こう岸へ先に行かせ、その間に群衆を解散させられた。23群衆を解散させてから、祈るためにひとり山にお登りになった。夕方になっても、ただひとりそこにおられた24ところが、舟は既に陸から何スタディオンか離れており、強風のために波に悩まされていた。25夜が明けるころ、イエスは湖の上を歩いて弟子たちのところに行かれた。26弟子たちは、イエスが湖上を歩いておられるのを見て、「幽霊だ」と言っておびえ恐怖のあまり叫び声をあげた。27イエスはすぐ彼らに話しかけられた「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない。」28すると、ペテロが答えた。「主よ、あなたでしたら、わたしに命令して、水の上を歩いてそちらに行かせてください。」29イエスが「来なさい」と言われたので、ペテロは舟から降りて水の上を歩き、イエスの方へ進んだ。30しかし、強い風に気がついて怖くなり、沈みかけたので、「主よ、助けてください」と叫んだ。31イエスはすぐに手を伸ばして捕まえ、「信仰の薄い者よ、なぜ、疑ったのか」と言われた。32そして、二人が舟に乗り込むと、風は静まった。33舟の中にいた人たちは、「本当に、あなたは神の子です」と言ってイエスを拝んだ。

                【聖書から】 マルコによる福音書6章45~52節 (新共同訳)
                            湖の上を歩く
6:45それからすぐ、イエスは弟子たちを強いて舟に乗せ、向こう岸のベトサイダへ先に行かせ、その間に御自分は群衆を解散させられた。46群衆と別れてから、祈るために山へ行かれた。47夕方になると、舟は湖のまん中に出ていたが、イエスだけは陸地におられた。48ところが、逆風のために弟子たちが漕ぎ悩んでいるのを見て、夜が明けるころ、湖の上を歩いて弟子たちのところに行き、そばを通り過ぎようとされた。49弟子たちは、イエスが湖上を歩いておられるのを見て、幽霊だと思い、大声で叫んだ。50皆はイエスを見ておびえたのである。しかし、イエスはすぐ彼らと話し始めて「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない」と言われた。51イエスが舟に乗り込まれると、風は静まり弟子たちは心の中で非常に驚いた。52パンの出来事を理解せず、心が鈍くなっていたからである。

                         ☆イエスの宣教活動
地図上、北から南に下って位置する地名順(アルファベットのA~Y)に、主にマタイの福音書の記述に従って、その地域で起こったことを以下に記す。
             A~Yまでの地名の位置を示す地図は省略します(転載できないので)

A ツロ:異邦人の娘が癒される(マタイ15:21-28)
B ピリポ・カイザリヤ:ペテロの信仰告白(マタイ16:13-20)
C メロン山/タボル山ヘルモン山:(1)イエスの変貌があったと考えられ場所(マタイ17:1-3)、(2)この付近で、悪霊につかれた男の子がいやされる(マタイ17:14-21)
D ガリラヤのカナ:(1)水がぶどう酒に変わる(ヨハネ2:1-11)、(2)カペナウムの役人の子がいやされる(ヨハネ4:46-54)
E ゲネサレ:(1)群衆への給食があったと考えられる場所(マタイ14:13-21、15:32-39)、(2)数多くのいやし(マルコ6:53-56)
F コラジン:(1)コラジン、ベッサイダ、カペナウムへのさばきが宣告される(マタイ11:20-24)、(2)山上の説教があったと考えられる場所(マタイ5-7章)
G カペナウム:(1)漁をする(ルカ5:1-11)、(2)悪霊を追い出す(マルコ1:21-28)、(3)山上の説教(マタイ5-7章)、(4)ペテロの義理の母がいやされる(マタイ8:5-13)、(5)百人隊長のしもべがいやされる(マタイ8:5-13)、(6)中風の男がいやされる(マルコ2:1-12)、(7)長血の女がいやされる(マルコ5:25-34)、(8)ヤイロの娘がよみがえらされる(ルカ8:40-56)、(9)二人の盲人がいやされる(マタイ9:27-31)、(10)悪霊につかれて口のきけない人がいやされる(マタイ9:32-34)、(11)12弟子が送り出される(マタイ10:1-15)、(12)片手のなえた人がいやされる(マタイ12:9-13)、(13)悪霊につかれた別の男がいやされる(マタイ12;22-37)、(14)宮の納入金が調達される(マタイ17:24-27)、(15)いのちのパンについての問答(ヨハネ6:22-59)。
H ベッサイダ:(1)群衆への給食があったと考えられる場所(マタイ14:13-21、15:32-39)、(2)盲目の男がいやされる(マルコ8:22-26)
I ベッサイダ付近のガリラヤ湖:水の上を歩く(マタイ14:22)
J ガリラヤ湖:嵐を静める(マタイ8:23-27)
K ゲルゲサ/ガダラ:悪霊を追い出し、その後豚ががけから落ちたと考えられる場所(ルカ8:26-39)
L ナザレ:(1)イエスの故郷(マタイ2:19-23)、(2)町の住民たちに拒絶される(ルカ4:16-30)
M ナイン:やもめの息子がよみがえらされる(ルカ7:11-17)
N ガリラヤ:(1)ッアラアトに冒された人がきよめられる(マルコ1:40-45)、(2)よみがえりの後に弟子たちに姿を現す(マタイ29:16-20)
O デカポリス(10の町):多くの人のいやし(マタイ15:29-31、マルコ7:31-37)
P ガリラヤとサマリヤの間の地方:(1)村に入ることを拒否される(ルカ9:51-56)、 (2)10人のツァラアトに冒された人がいやされる(ルカ17:11-19)
Q スカル:サマリヤの井戸の女(ヨハネ4:1-42)
R エフライム:弟子たちとともに荒野に近い地方に入る(ヨハネ11:54)
S ペレヤ地方:(1)結婚についての教え(マタイ19:1-12)、(2)病の霊につかれていた女がいやされたと考えられる場所(ルカ13:10-13)、(3)水腫をわずらっていた男がいやされたと考えられる場所(ルカ14:1-6)、84)金持ちの若い役人と出会ったと考えられる場所(ルカ18:18-30)
T エリコ:(1)バルテマイがいやされる(10:46-52)、(2)ザアカイの回心(ルカ19:1-10)
U ベタニヤ:(1)ラザロがよみがえらされる(ヨハネ11:1-44)、(2)マリヤがイエスに香油をそそぐ(ヨハネ12:1-11)
V エルサレム:(1)少年イエスが神殿に行く(ルカ2:41-52)、(2)ニコデモとの問答(ヨハネ3:1-21)、(3)べテスタの池のいやし(ヨハネ5:2-9)、(4)姦淫の女が捕らえられる(ヨハネ8:2-11)、(5)石打ちにされそうになる(ヨハネ8:12-59)、(6)生まれつきの盲人がいやされる(ヨハネ9:1-12)、(7)勝利の入城(マタイ21:1-11)、(8)宮きよめ(ヨハネ2:13-22)、(9)最後の晩餐(ルカ22:7-30)、(10)裁判と十字架(マタイ26:57-27:50)、(11)埋葬(ルカ23:50-56)、(12)復活の後、マリヤと弟子に現れる(ヨハネ20:1-31)
W エマオ:復活の後、2人の弟子に現れる(ルカ24:13-32)
X オリーブ山:(1)オリーブ山での教え(マタイ24:3-25:46)、(2)苦しみを味わい、ゲッセマネで捕らえられる(マタイ26:36-56)、(3)昇天(使徒1:6-12)
Y ベツレヘム:ご降臨の地(ルカ2:1-20)
  

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