「神の言葉を聞き、伝えた預言者」(サムエル)サムエル記上1章、2章18~26節、3章

2021年10月3日聖霊降臨節第20主日礼拝
聖書:サムエル記上1章、2章18~26、3章
説教:「神の言葉を聞き、伝えた預言者」(サムエル)
    保母光彦牧師
讃美歌:21‐458、437

★暗誦聖句
・10月4日(月):サムエル記上3章9節●
そしてエリはサムエルに言った、「行って寝なさい。もしあなたを呼ばれたら、『しもべは聞きます。主よ、お話しください』と言いなさい」。サムエルは行って自分の所で寝た」。
・10月5日(火):サムエル記上3章1節●
わらべサムエルは、エリの前で、主に仕えていた。そのころ、主の言葉はまれで、黙示も常ではなかった。
・10月6日(水):使徒行伝17章11節●
ここにいるユダヤ人はテサロニケの者たちよりも素直であって、心から教えを受けいれ、果たしてそのとおりかどうかを知ろうとして、日々聖書を調べていた。
・10月7日(木):サムエル記上3章3節●
神のともしびはまだ消えず、サムエルが神の箱のある主の神殿に寝ていた時、
・10月8日(金):詩篇119篇18節●
わたしの目を開いて、あなたのおきてのうちのくすしき事を見させてください。
・10月9日(土):詩篇119篇11節●
わたしはあなたにむかって罪を犯すことのないように、心のうちにみ言葉をたくわえました。

★説教要約
*目標:神の語りかけを聞き、忠実に応答する姿勢を学ぶ。
*主題:神のことばを聞き、伝えた預言者。
*暗誦聖句:「主よお話しください、しもべは聞いております」 (Ⅰサムエル3:9●)

「サムエル」
 サムエルは最後の士師、最初の預言者、王政の創立という新たな時代を切り開く開拓者と
して、神により選ばれました。私たちは、サムエルの誕生から召天までの歩みを事細かく聖
書の中から読み解くことができます。この偉大な神の人から多くの事を学ぶことができま
す。
              1.祈りの人サムエル
 サムエルは、「神に求めた」という意味をこめて名づけられました(1:20)。母ハンナ
が神に願いを求めて、その祈りの結果、誕生したからです。まさにサムエルは「祈りの子」
であり、「祈りの人」として神に向き合います。
 「さて、少年サムエルはエリのもとで主に仕えていた。そのころ、主のことばはまれにし
かなく、幻も示されなかった」(3:1●)。
 「主のことばはまれにしかなく」は聞く耳をもつ人がいなかったからです。しかし、つい
に主は、ご自分に心を向ける聞く耳をもつ人を見いだされました。少年サムエルです。
 主の神殿で寝ているサムエルを神は呼ばれます。「サムエル、サムエル」と。神は個人的
に、名をもって呼ばれます。アブラハムにも、ヤコブにも、モーセにもそうでした。同じく、
私たち一人一人をも、その名をもって呼んでおられることを知りましょう

2.はい、ここにおります
サムエルにとって、神から名を呼ばれる経験は初めてでした。祭司エリから事あるごとに名を呼ばれ、そのたびに「はい、ここにいます」と駆けつける習慣がついていたのでしょう。真夜中にいったい何事だろうと駆けつけ、「お呼びになりましたか?」と眠っているエリに告げます。夢でも見たのだろうと思いながら、エリは答えます。「呼んでいないよ。帰って寝なさい」、同じことが三度も続くとさすがにエリも気づきます。「主」がサムエルを呼んでおられるのだと。そこでサムエルに教えます。「行って寝なさい。主がおまえを呼ばれたら、『主よ、お話しください。しもべは聞いております』と言いなさい」(9節●)
そして、ついに四度目に主が呼ばれた時、サムエルは主に向かって「お話しください。しもべは聞いております」と答えます。すると、主はご自分のメッセージをサムエルに伝えました。
今気づきましたが、電話を私たちが主よりいただいたのに気づかずに、私たちの名を呼ばれる主は、私たちが「主よ、お話しください。しもべは聞いております」と答えるまでずっと待ち続けるお方だということを知らせていらっしゃいます。せっかく主が呼んでくださっているのに、サムエルがエリのもとに駆けつけたように、私たちも見当違いの方に向かっているのではないか、と気をつけようという思いがおこりませんか? 私たちが本当に主に向かっているかが問われているように思います。

3.聖書を通して呼びかける主
サムエルの時代には、まだ私たちのように聖書が手元にありません。はたしてモーセの律法の書やヨシュア記が手に入ったかどうかも不明です。サムエルの寝ていた「主の神殿」には「神の箱が置かれている」(3:3●)とありますから、その中には「十戒」の刻まれた石の板2枚が収められていたはずですが、不用意に中をのぞいたり、触れることは固く禁じられていたでしょう。現代に生きる私たちに、主は聖書を通して語りかけられます。聖書に聴き、聖書に学び、聖書に従うことをせずに、私にもサムエルのように直接、呼びかけてほしいと期待するのは間違っています。詩篇119篇18節●の祈りをもって期待しながら読みましょう。聖書の説き明かしである説教を、「自分に語られる主のことば」として注意深く聞きましょう。「はたしてそのとおりかどうか、毎日聖書を調べた」(使徒17:11●)ベレアの人々のように聖書を学び調べましょう。聖書を暗記しましょう。「私はあなたのみことばを心に蓄えます。あなたの前に罪のある者とならないために」(詩篇119:11●)。
読んだみことば、聞いたみことば、調べたみことば、暗記したみことばを昼も夜も口ずさみ、黙想しましょう。みことばを自分の生活、生き方に適用して、みことばに生きる生活を重ねましょう。
◎〔シロ:祭司:サムエルはエリに仕える〕イスラエルは200年以上にわたって士師(さばきつかさ)に治められていた。エリとサムエルは最後の士師である。サムエルは、エリの人生の終わり間近に生まれる。彼は天幕で、エリのもとで訓練を受ける祭司として育ち、祭司兼士師としてイスラエルに仕えるのに適任であった。 主の山に備えありであった。

 

 【聖書から】 サムエル記上(1~3章)(新共同訳)

 サムエルの誕生
1:1エフライムの山地ラマタイム・ツォフィムに一人の男がいた。名をエルカナといい、その家系をさかのぼると、エロハム、エリフ、トフ、エフライム人のツフに至る。2エルカナには二人の妻があった。一人はハンナ、もう一人はペニナで、ペニナには子供があったが、ハンナには子供がなかった。3エルカナは毎年自分の町からシロに上り、万軍の主を礼拝し、いけにえをささげていた。シロには、エリの二人の息子ホフニとピネハスがおり、祭司として主に仕えていた。4いけにえをささげる日には、エルカナは妻ペニナとその息子たち、娘たちにそれぞれの分け前を与え、5ハンナには一人分を与えた。彼はハンナを愛していたが、主はハンナの胎を閉ざしておられた。6彼女を敵と見るペニナは、主が子供をお授けにならないことでハンナを思い悩ませ、苦しめた。7毎年このようにして、ハンナが主の家に上るたびに、彼女はペニナのことで苦しんだ。今度もハンナは泣いて、何も食べようとしなかった。8夫エルカナはハンナに言った。「ハンナよ、なぜ泣くのか。なぜ食べないのか。なぜふさぎ込んでいるのか。このわたしは、あなたにとって十人の息子にもまさるではないか。」9さて、シロでのいけにえの食事が終わり、ハンナは立ち上がった。祭司エリは主の神殿の柱に近い席に着いていた。10ハンナは悩み嘆いて主に祈り、激しく泣いた。11そして、誓いを立てて言った。「万軍の主よ、はしための苦しみを御覧ください。はしために御心を留め、忘れることなく、男の子をお授けくださいますなら、その子の一生を主におささげし、その子の頭には決してかみそりを当てません。」12ハンナが主の御前であまりにも長く祈っているので、エリは彼女の口もとを注意して見た。13ハンナは心のうちで祈っていて、唇は動いていたが声は聞こえなかった。エリは彼女が酒に酔っているのだと思い、14彼女に言った。「いつまで酔っているのか。酔いをさましてきなさい。」15ハンナは答えた。「いいえ、祭司様、違います。わたしは深い悩みを持った女です。ぶどう酒も強い酒も飲んではおりません。ただ、主の御前に心からの願いを注ぎだしておりました。16はしためを堕落した女だと誤解なさらないでください。今まで祈っていたのは、訴えたいこと、苦しいことが多くあるからです。」それでエリは、17「安心して帰りなさい。イスラエルの神が、あなたの乞い願うことをかなえてくださるように」と答えた。18ハンナは、「はしためが御厚意を得ますように」と言ってそこを離れた。それから食事をしたが、彼女の表情はもはや前のようではなかった。

以下省略します。
1.サムエル記上1章19節~4章4節
2.「サムエル記上」に記された出来事の場所を示す、士師時代(前12世紀)の地図

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