聖霊降臨節第16主日礼拝
保母光彦牧師説教
★暗誦聖句
・9月6日(月):ピリピ人への手紙4章13節●
(口語訳)わたしを強くして下さるかたによって、何事でもすることができる。
(新共同訳)わたしを強めてくださるかたのお陰で、わたしにはすべてが可能です。
・9月7日(火):士師記7章1節●
(口語訳)さてエルバアルと呼ばれるギデオンおよび彼と共にいたすべての民は朝早く起き、ハロデの泉のほとりに陣を取った。ミデアンびとの陣は彼らの北の方にあり、モレの丘に沿って谷の中にあった。
(新共同訳)エルバアル、つまりギデオンと彼の率いるすべての民は朝早く起き、エン・ハロドのほとりに陣を敷いた。ミディアンの陣営はその北側、平野にあるモレの丘のふもとにあった。
・9月8日(水):士師記7章3節●
(口語訳)それゆえ、民の耳に触れ示して、『だれでも恐れおののく者は帰れ』と言いなさい」。
(新共同訳)それゆえ今、民にこう呼びかかけて聞かせよ。恐れおののいている者は皆帰り、ギレアドの山を去れ、と。こうして民の中から二万二千人が帰り、一万人が残った。
・9月9日(木):士師記7章8節●
(口語訳)そこで彼はかの三百人を留めおき、残りのイスラエルびとの手から、つぼとラッパを取り、民をおのおのその天幕に帰らせた。時にミデアンびとの陣は下の谷の中にあった。
(新共同訳)その民の糧食と角笛は三百人が受け取った。彼はすべてのイスラエル人をそれぞれ自分の天幕に帰らせたが、その三百人だけは引き留めておいた。ミディアン人の陣営は下に広がる平野にあった。
・9月10日(金):士師記7章10節●
(口語訳)もしあなたが下って行くことを恐れるならば、あなたのしもべプラと共に敵陣に下っていって、
(新共同訳)もし下っていくのが恐ろしいなら従者プラを連れて陣営に下り、
・9月11日(土):士師記8章1節●
(口語訳)エフライムの人々はギデオンに向かい「あなたが、ミデアンびとと戦うために行かれたとき、われわれを呼ばれなかったが、どうしてそういうことをされたのですか」と言って激しく彼を責めた。
(新共同訳)エフライムの人々はギデオンに、「あなたはミディアンとの戦いに行くとき、わたしたちを呼ばなかったが、それはどういうことか」と言って、激しく彼を責めた。
★説教要約
*目標:神に従うとき、神の方法で勝利が与えられることを知る。
*主題:神が勝利を与えてくださる。
*暗誦聖句:「私を強くしてくださる方によって、私はどんなことでもできるのです」(ピリピ4:13●)
〔ギデオンの戦い〕 士師記7章
ミディアン人やアマレク人などの連合軍は、すでにイスラエル領土に入ってエスドラエロン平原に陣を敷いていました。その数13万5千人のラクダの部隊です(7:12,8:10)。一方、ギデオンの招集に応えて集まったイスラエルの民は3万2千人。長引く食糧難で体力も不十分、武器も万全ではなかったでしょう。客観的には勝ち目はなさそうです。しかし、神は約束をもってミディアン人を討つように命じられました(6:14,16)。主の戦いはどのように進められたでしょうか。
1.まだ多すぎる (1~8節)
ギデオン率いるイスラエル軍は、ハロデの泉(裏面地図)のそばに陣を敷きました。ギルボア山北西の水源地です。連合軍の陣営は北に10キロも離れていません。もう戦闘開始前です。この時、神はギデオンに兵の選別、縮小を命じました。
集合した人々は、招集の角笛を聞いて、兵力の差に恐れつつも集まって来た人々。頼りにしたいところです。しかし、「これだけの人数がいれば何とかガンバレルかもしれない」と、目に見えるものに頼る危険があります。だから、この戦いの勝利が神のみわざであることが鮮やかにわかるように(2節)、兵を減らす必要がありました。
①最初の選別は、主の戦いに臨む心が問われるものでした。 恐れる心のある人々2万2千人が家に戻っていきました。残るは心奮い立つ人々1万人。次なる選別は水の飲み方です。
②主の戦いに備える忠実さを問われたのです。主が用いようとするのは、主を信頼して恐れずに従う忠実なしもべたちです。それにしても、残されたのはわずか3百人でした。これでは、連合軍にとってはまさに赤子の手をひねるようなもの。しかし主は言われました。「3百人でわたしはあなたがたを救い、ミディアン人をあなたの手に渡す」(7節)。神の前に、人の少なさや弱さは問題になりません。全能の神が事をなしてくださるからです‼
2.もし恐れるなら (9~15節)
3万人いた兵が3百人に減って、ギデオンは不安を抱えていたようです。しかし、さばきつかさがおじけづいていたのではリーダーシップをとることができません。神はギデオンを励ましてくださいました。「もし、あなたが下って行くことを恐れるなら、あなたの従者プラと一緒に陣営に下って行き、彼らが何を言っているかを聞け。その後、あなたの手は強くなって、陣営に攻め下ることができる」(10~11節)。ギデオンは従者プラ(「堂々たる」の意)と敵陣に忍び込みました。そこで聞いたのは、敵兵が見た夢とその解釈。なんと敵兵の口から「神が彼(ギデオン)の手に、ミディアン人と全陣営を渡された」ということが語られました(14節)。
ここに、どこまでもギデオンに寄り添い、用いようとされる神の忍耐を見ます。神は私たちのことも、従うことができるように忍耐深く導いてくださいます。従うことができるのも、神の恵みです。
神によって確信を与えられたギデオンは、応答の礼拝をささげました。戦いを前にして、神が事をなしてくださるという信仰告白の礼拝です。信仰による勇気と強さが与えられました。
3.鳴り響く角笛 (16~25節)
敵が13万人以上であろうと、見方がわずか3百人であろうと、もはや恐れなく従うギデオンでした。3百人を三分したので、一部隊は百人。しかも彼らが手にしたものは、角笛とつぼに入れたたいまつ。戦いの武器とは思えません。しかし、聞いた夢の解釈がギデオンに作戦をもたらしました。奇襲して角笛を吹き鳴らし、「主のため、ギデオンのための剣」と叫ぶ。これが連合軍の恐怖をあおることになりました。そして同士討ち。連合軍ゆえに起きやすいこととはいえ、全体にわたり12万人も倒れたのは、神のみわざです(22節)。
ギデオン率いるイスラエル軍は、敵の多くが死に、逃げだしたからといって、戦いをかってに終わらせませんでした。ミディアン人の首長を捕らえ、追撃の手を緩めませんでした。らくだは時速50キロで走り、スタミナもあります。これを追撃したのです。力強く従い続けるギデオンの姿があります。従うときには徹底的に。それが大切です。
神は、弱い者に寄り添い励まし、恐れを取り除き、力強く従わせてくださいます。全能の神が事をなしてくださいます。神が選び、用いてくださる恵みを、「私は弱い」からこそ味わうことができます。 (丸山園子先生)