ヨシュア記1章、3章  新しい指導者ヨシュア

保母光彦牧師 聖霊降臨節第4主日礼拝説教 2021年6月13日

説教題「新しい指導者ヨシュア」 ヨシュア記1章,3章

 暗誦聖句

6月14日(月):ヨシュア記1章9節●わたしはあなたに命じたではないか。強く、また雄々しくあれ。あなたがどこへ行くにも、あなたの神、主が共におられるゆえ、恐れてはならない、おののいてはならない。

・6月15日(火):ヨシュア記1章17節●われわれはすべてのことをモーセに聞き従ったように、あなたに聞き従います。ただ、どうぞ、あなたの神、主がモーセと共におられますように。

・6月16日(水):ヨシュア記3章16節●上から流れくだる水はとどまって、はるか遠くのザレタンのかたわらにある町アダムのあたりで、うず高く立ち、アラバの海すなわち塩の海の方に流れくだる水は全くせきとめられたので、民はエリコに向かって渡った。

・6月17日(木):ヨシュア記3章7,8節●主はヨシュアに言われた、「きょうからわたしはすべてのイスラエルの前にあなたを尊い者とするであろう。こうしてわたしがモーセと共にいたように、あなたとともにおることを彼らに知らせるであろう。8節あなたは契約の箱を担ぐ祭司たちに命じていわなければならない。『あなたがたは、ヨルダンの水ぎわへ行くと、すぐ、ヨルダンの中に立ちとどまらなければならない』」。 

・6月18日(金):ヨシュア記4章19節●民は正月の十日に、ヨルダンから上ってきて、エリコの東の境にあるギルガルに宿営した。

・6月19日(土):ヨシュア記1章18節●「だれにあっても、あなたの命令にそむき、あなたの命じられる言葉に聞き従わないものがあれば、生かしてはおきません。ただ、強く、また雄々しくあってください」。

 ★説教要約

*目標:自信がなくても、神の励ましを信じて実行する者となる。

*主題:神は民と共にいて約束の地へお導きになる。

*暗誦聖句:「強くあれ。雄々しくあれ。恐れてはならない。おののいてはならない。あなたが行くところどこでも、あなたの神、主があなたとともにいるのだから」 (ヨシュア1:

9●)

 【主題の背景】

 前回、民の不信仰により、カナンを目前にしながら、なお四十年荒野の旅を続けなければならなかったことを見た。どんなに期間が延長され、世代が替わっても、主は約束されたことを忘れず、必要を満たしながら必ず果たされる。信仰者に対する不屈の忍耐と誠実を確認したい。

 【テキストの解説】

1.ヨシュアに対する神の命令と約束 (1:1~9●)

 偉大な指導者であったモーセは死んだ。一方、神の計画はいまだ果たされていない。主は後継者としてヨシュアを立て、民を約束の地に導くように命じる。「すでにあなたがたに与えている」と言いきるほどの確かな約束である。領土の範囲までもが確定済みである。レバノン、ユーフラテス、ヒッタイト、地中海沿岸までの支配は約三百年後、ダビデおよびソロモンの時代に確かに成就した。主は自身が召した者に対し、親切で心強い。任務遂行を阻止できる者は決して現れないことをモーセの時と変わらないご臨在を繰り返し約束する。「強くあれ。雄々しくあれ」との励ましは三度にも及んでいる。「強くあれ・・・」は一見すると、後に控えている戦いへの戦意高揚の命令である。しかし、前後において戦争の言及は皆無に近く、むしろ目的は律法の遵守であり、最終目標は民の繁栄である。故に「強くあれ・・・」は、主への信頼を貫き抜き、みことばに生きる勇敢(ゆうかん)さを指す 主はただ号令をかけるだけでなく、本人の信仰や内面にも配慮し、必要な励ましを与えられる 

2.民のつかさたちへの命令と応答 (1:10~18)

 信仰を鼓舞されたヨシュアは早速実行に移る。つかさたちを招集して、成すべきことを命じる。主から賜った惠の取り扱いは、指示内容「主があなたがたに与えて所有させようとしておられる地」に色濃く反映している。ヨシュアは、すでにヨルダン川東部に相続地を得ていたルベン人、ガド人、マナセの半部族に対し、約束の地を所有するという当初からの主の計画を思い起こさせ、主のわざに参与するように強く呼びかける。ヨシュアは指導者として、人員確保以上に同じ神の民が個人的な満足で終わるのでなく、共に神の使命をにない、共に勝利にあずかることに心をくだいている。この命令に三部族は喜ばしい応答をする。ヨシュアに忠誠を誓い、「ただ強く雄々しくあってください」と求める。幸なことに、彼らが重視したのも主の臨在であった。(17節●) 

3.ヨルダン渡河に備えて (3:1~13)

 ヨシュア一行は早朝に行動して、ヨルダン川付近に到着する。「エリコに面したところ」であった(16節●)。しかしすぐに渡ろうとせず、時間をかけ丁寧に備える。ヨシュアの指示を受けたつかさたちは、順次「宿営の中を巡り」、民の全員に具体的指示を伝えていく。「主の契約の箱」が行動開始の合図である。主のみわざにおいては、主が自ら先立たれる。「2000キュピトほどの距離」(約900メートル)は、臨在に対する畏怖(おそれ)の表現であると同時に、事をなすのはあくまで神であり、人の助けは不要で、ただつき従うことだけを示している。加えて、「主があなたがたのただ中で不思議を行われ」、これにあずかる以上は、それにふさわしく、自らを神のために取り分け、ささげる「聖別」も命じられた。川を渡る直前に、もう一度ヨシュアに対し主が語りかけ、みわざの宣言と具体的指示を告げる(7,8節●)。簡潔な命令であるが、だからといってヨシュアは伝令を怠ることはせず「あなたがたの神、主のことば}として民にしっかり取り次いで、みわざに備えた。 

4.ヨルダン川を渡る (3:14~17)

 これまでの荒野の旅でも、「契約の箱」」が民を先導する場面はあった(民数10:33,34)。「人々は主の山を旅立ち、三日の道のりを進んだ。主の契約の箱はこの三日の道のりを進んだ。主の契約の箱はこの三日の道のりを彼らの先頭に進み、彼らの休む場所を探した。彼らが宿営を旅立つとき、昼は主の雲が彼らの上にあった。」それでも主流は「雲の柱」「火の柱」である。今後は契約の箱が主たる先導役となるいずれも神の臨在に変わりはない。「契約の箱」には「十のことば(十戒)」が納められており、臨在におけるみことばの側面が強調されていると思われる(申命10:1~5)。(再び戒めが授けられる)。許し。「刈り入れの期間」(15節)であった「第一の月の十日」(4:19●)は、「第一の月の十日に、イスラエルの民はヨルダン川から上がって、エリコの町の東の境にあるギルガルに宿営(神がヨルダン川の水を止められて水は涸(から)してくださった。)「せき(堰)の状態がどの範囲までであったかを報告されている。「アダム」から民が渡った「エリコ」までとすると、それは約30㎞にも及んでいたことになる。最初にも述べたが期間が延長、世代交替があっても主は約束したことを忘れず、必ず成就へと導かれる。状況の好転・悪化に左右されず、主のご臨在を固く信じ、主の約束のみことばに立ち続けよう。 

【聖書から】 ヨシュア記 1章、3章  (新共同訳)

1:1主の僕モーセの死後、主はモーセの従者、ヌンの子ヨシュアに言われた。2「わたしの僕モーセは死んだ。今、あなたはこの民すべてと共に立ってヨルダン川を渡り、わたしがイスラエルの人々に与えようとしている土地に行きなさい。3モーセに告げたとおり、わたしはあなたたちの足の裏が踏む所をすべてあなたたちに与える。4荒れ野からレバノン山を越え、あの大河ユーフラテスまで、ヘト人の全地を含み、太陽の沈む大海に至るまでが、あなたたちの領土となる。5一生の間、あなたの行く手に立ちはだかる者はないであろう。わたしはモーセと共にいたように、あなたと共にいる。あなたを見放すことも、見捨てることもない。6強く、雄々しくあれ。あなたは、わたしが先祖たちに与えると誓った土地をこの民に継がせる者である。7ただ、強く、大いに雄々しくあって、わたしの僕モーセが命じた律法をすべて忠実に守り、右にも左にもそれてはならない。そうすれば、あなたはどこに行っても成功する。8この律法の書をあなたの口から離すことなく、昼も夜も口ずさみ、そこに書かれていることをすべて忠実に守りなさい。そうすれば、あなたは、その行く先々で栄え、成功する。9わたしは、強く雄々しくあれと命じたではないか。うろたえてはならない。あなたがどこへ行ってもあなたの神、主は共にいる。」10ヨシュアは民の役人たちに命じた。11「宿営内を巡って民に命じ、こう言なさい。おのおの食糧を用意せよ。あなたたちは、あと三日のうちに、このヨルダン川を渡る。あなたたちの神、主が得させようとしておられる土地に入り、それを得る。」12ヨシュアは、ルベン人、ガド人、マナセの半部族に告げた。13「主の僕モーセが命じた言葉を思い起こしなさい。彼はこう言った。『この土地はあなたがたの安住の地、あなたたちの神、主が与えてくださったものである』と。14モーセがあなたたちに与えたヨルダン川の東の地に妻子と家畜を残し、あなたたち、勇士は皆、隊伍を整え、同胞たちに先だって川を渡り、彼らを助けなさい。15主が彼らをも、あなたたちと同じように、安らかに住まわせ、あなたたちの神、主が与えられる土地を、彼らも得られるようにしなさい。あなたたちはその後、主の僕モーセがあなたたちの領地としたヨルダン川の東、すなわち太陽の昇る側の土地に帰り、それを得なさい。」16彼らはヨシュアに答えた。「我々は、御命令を行います。遣わされ所にはどこへでも参ります。17我々はモーセに従ったように、あなたに従います。どうか、あなたの神、主がモーセと共におられたように、あなたと共におられますように。18いかなる命令であっても、あなたの口から出る言葉に背いて、従わない者は死に定められなければなりません。どうぞ、強く、雄々しくあってください。」

 以下 ヨシュア記3章1節~17節まで省略します。

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